プレイオフブログ、最終回は遠山向人ヘッドコーチの登場です。3季目となる来シーズン。B.LEAGUEでの戦いに向けた熱い言葉で、来季への展望を語ってもらいました。
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　Q.レイクスのbjリーグラストシーズンが終わりました。奇しくも、ヘッドコーチも2008-2009シーズンの浜松・東三河フェニックスのbjリーグへの参入で、レイクスと同時期にbjリーグでのキャリアがスタートしています。bjでの8シーズン、振り返るといかがですか。

――リーグ自体は信じられない速度で成長したと思います。

　8年前、リーグに参入した当時は、リーグに優れた日本人選手はいましたが、今ほど多くはありませんでした。

　それが毎年新たに良い選手がリーグに入ってきたり、また既存の選手もどんどん上手くなっていった印象です。既存の選手の成長の要因は、外国籍選手が多いリーグで外国籍選手と戦わなければならなかったことと、プロとして意識の高い姿勢が大きな要素だと思います。

　また、外国籍選手のレベルも年々上がっていきました。8年前の外国籍選手と比べると、現在のbjリーグの外国籍選手は能力も経歴も桁違いです。

　毎年外国籍選手のリクルートをしていますが、最近の外国籍選手（例えばレイクスのジュリアンなど）は8年前だったら経歴を見て「bjリーグでは絶対獲得できない」と思っていたレベルの選手が多いです。

　コーチ陣は競争の激しさから海外に目を向け勉強し、そして選手のレベルアップなどが重なり合い、あらゆるカテゴリーで急激な成長のあった8年間だと思います。

　リーグ、各チームのフロントの皆さん、ブースターの皆様やスポンサーの皆様、選手、コーチ・スタッフ陣、本当に凄いです。



　Q.さて、記念すべきB.LEAGUEでのファーストシーズンもレイクスの指揮官として迎えることとなりました。熟慮の末の決断だったと思いますが、続投の決め手はどこにあったでしょうか。

　――シンプルに、滋賀が好きだということ、散々ご迷惑をおかけしたのにもかかわらず、私を評価して頂きオファーを頂いたこと、そして滋賀でより良いチームを作りたいという情熱しかありません。

　バスケットやスポーツには皆さんがまだ見ていないもっと美しい世界が沢山あります。私はそれを表現したいですし、皆さんに見てもらいたいです。

　Q.レイクスが初年度を戦うB1西地区は、シーホース三河(アイシン)、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(三菱電機)といったNBL勢の強豪に、沖縄、京都、大阪が入り、激戦必至です。先日の記者会見で、ヘッドコーチは「オーソドックスなチーム編成では分が悪い。特色あるチーム作りを目指す」と話していましたが、「特色」について、もう少し詳しく伺ってもよろしいでしょうか。

――アイシンには橋本選手・比江島選手・金丸選手など日本を代表する文字通り日本代表の選手が並び、優れた帰化選手もいます。三菱にも日本一の選手と言っても過言ではない川村選手や、何人ものナショナルチームレベルの選手がいます。彼らや彼らと同等の選手を獲得しない限りは、能力やサイズは彼らが上でしょう。

　その為、我々は全ての面で彼らを上回るよりも、アドバンテージが取れる場所を見出さなければなりません。例えば、サイズは劣るがシュート力があったり、オフェンスの能力が劣ってもディフェンスで守ったり、シュート力は劣ってもハッスルしリバウンド・ルーズボールの強さで勝ったり、最適な場所にパスができたり、良い判断ができたり、など、いかにディファレント(違い)を作り出せるかが重要です。相手がサイズも能力も上回っているのであればセルフィッシュなプレーヤーは必ず抑えられてしまいます。『献身さ』もポイントとなるでしょう。

　また、相手のディフェンスの準備が整っていない状態でスコアを狙う必要性も大きくなり、速さ（テンポ）、ディフェンス、献身性を整えた上でディファレントを作らなければなりません。

　レイクスでは横江、小林の契約合意のリリースがありましたが、横江はスピードとジャンプシュートで違いが作り出せる選手です。スピードはNBLの選手と比べても引けを取らなく速いですし、ジャンプシュートも本当によく入ります。

　小林はバスケットIQの高さと、NBLのガードも守ることのできるディフェンス力があり、ペイントエリアに簡単に侵入できる感性とリバウンド・ルーズボールの強さがあります。

　また2人に共通しているのは、これまでのキャリアでクラッチタイム（勝負所）に強いことです。横江・小林の飛躍には大きく期待しています。



　Q.NBLになじみのない方もいるかと思いますが、ヘッドコーチの目から見て、三河、あるいは名古屋はどのようなチームでしょうか。

――上記で書いたように、サイズがあり能力の高い選手が揃っています。豊富な資金力と伝統があり、常に優れた選手をズラリ揃えているイメージです。

　三河(アイシン)には何度も日本一に輝いた日本を代表する鈴木HCがおり、名古屋(三菱)はbjリーグ横浜時代に優勝経験のあるレジー・ゲイリーHCもいます。

　環境面でも、両チームとも専用体育館があり、私も過去にどちらの体育館にも何度も入ったことがありますが、本当に素晴らしい環境です。高い金額で契約しバスケットに集中できるのは大きなアドバンテージでしょう。

　しかし、我々がプレーするのは同じバスケットボールです。バスケットボールの方法は星の数のようにあり、我々は勝ちにいきます。

　Q.また、来シーズンは試合数も年間60試合に増え、これまで以上にタフな戦いとなりそうですね。

――試合数も増えますし、順位次第では正月に天皇杯があります。また、これまでと違い、同じカンファレンスはアイシン・三菱・京都・大阪・沖縄で、オーバーカンファレンスも全てがB1のチームであり、あらゆるカードがbj時代でいうところの京都・大阪・沖縄のような激戦必至の対戦となります。

　これは試合数以上にタフなシーズンになると思います。

　Q.ただ、B.LEAGUEではホームゲームの8割以上がホームアリーナで開催され、レイクスは滋賀県立体育館(大津市)で戦います。腰を落ち着けた本拠地ともいえる場所ができたのは、プレーする選手にとってもプラスでしょうか。

――滋賀県立体育館以外にも、これまでシーズンで試合をしてきた場所は我々にとって好きな場所でしたが、県立が多くなるということで、利点も大いにあると思います。前回のプレイオフブログ( http://playoffs2016.shiga-saku.net )で坂井代表が言っているとおりとも思います。



　Q.では最後に、ヘッドコーチが「日本一熱い」と賞するレイクスブースターの皆さんに、B.LEAGUEファーストシーズンにむけた意気込み、メッセージをお願いします。

――bjリーグは終わりましたが、私にはまだまだやることが沢山あります。

　優勝すること。そして、スポーツの美しさを伝えること。

　更に熱いリーグがまた始まります。皆さんは来シーズン、もっとバスケットボールが好きになるでしょう。

　我々は今まで以上に熱くファイトします。

　日本中にレイクス・ブースターを見せつけてやってください。

　私はレイクスが日本のバスケットボールを牽引するチームになると信じていますし、レイクス・ブースターが日本のバスケットボールのアリーナのスタイルを築き牽引すると信じています。レイクスに熱い声援をよろしくお願い致します。

　今シーズンも一緒に戦いましょう。
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　日本中に見せつける。B.LEAGUE初年度を語るに、これ以上ない言葉といえるでしょう。
　シーズンクライマックスをお伝えしてきたプレイオフ特設ブログも、今回が最終回。一ヵ月後には、いよいよ2016-2017シーズンが幕を開けます。日本最高峰の戦いに挑むレイクスに、来季も熱いブーストを宜しくお願い致します！

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